財団法人 上越環境科学センター

 

ホーム

事業所紹介

業務案内

環境法令集

ISOの取組み

TOPICS

環境豆知識

求人情報

お問い合わせ

リンク

更新履歴

 


遺伝子組み換え食品について

  1. 遺伝子ってなあに
  2. 遺伝子組み換えとは?
  3. 組み換え食品のメリット
  4. 厚生労働省が認可している遺伝子組み換え作物
  5. 組み換え食品の問題点

1.遺伝子ってなあに?

 「カエルの子はカエル」といいますが、動物でも植物でも、細胞の中にある遺伝子とそれに基づく遺伝情報(ゲノム)によって生物の形や性質、活動が決められており、遺伝子が複製されることにより細胞が増え、親から子へ受け継がれていきます。ほとんどの生物の遺伝子は「DNA(デオキシリボ核酸)」という物質でできています。
 DNAは糖とリン酸がらせん状になった2本の鎖のような形をしていて、その間を4種類の塩基がはしご段のように並んでいます。この塩基にはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という種類があって、この塩基の配列が生物の身体を作る様々な指令となり、生物の生命現象を司っています。

上へ戻る↑

2.遺伝子組み換えとは?

 人類は長年自然現象としての遺伝子組み換えを行ってきました。いわゆる「交配」です。例えば米の代表品種である「コシヒカリ」も、ルーツをたどると7品種の米に行き着きます。異なる品種を掛け合わせることで、遺伝子を組み換えることにより、より有用な植物や動物を作ってきました。
 しかし、交配には膨大な時間が掛かります。そこで、必要な性質の基となっている遺伝子だけを微生物や植物などの細胞から取り出し、別の細胞に入れてDNAに組み込ませ、新しい性質を持たせようとするのが現代の遺伝子組み換え:バイオテクノロジーです。
 植物における遺伝子組み換え工程は、おおまかに次のような手順で行われます。

(1)有用遺伝子を見つける
 微生物や植物、動物などの細胞の中から、有用な遺伝子を見つけて取り出す。
(2)遺伝子を細胞に入れる。
 植物の場合、方法は主に3つあります。

  1. アグロバクテリウム法
    土壌細菌(アグロバクテリウム)が植物に感染したときに、自身の環状DNAを細菌中に入れ染色体中に組み込ませる性質を利用する方法
  2. パーティクルガン法
    金粒子に遺伝子をまぶし、細胞に撃ち込む方法
  3. エレクトロポレーション法
    細胞壁を酵素で取り除いた細胞に直流パルスを瞬間的に与えて細胞膜を乱れさせ、できた穴から遺伝子を潜り込ませる方法

(3)遺伝子が入った細胞を選抜する
 遺伝子を入れる操作をしても、うまく入らなかったり、組み込まれた染色体の位置が悪かったりすると、遺伝子の有用な性質は出てこないため有用なものだけを選び出す操作が必要になります。例えば、除草剤耐性の遺伝子を入れた場合は、その除草剤をかけて生き残ったものが、遺伝子がうまく入り込んだ細胞といえます。
(4)細胞を植物体に育てる
  細胞を培養し、植物ホルモンなどを与えて再分化させると、植物体に育てることができます。

上へ戻る↑

3.組み換え食品のメリット

 現在多く作られている組み換え食品は大豆やトウモロコシなどの作物です。除草剤耐性や害虫抵抗性を持たせて農薬をまく回数を減らし、農作業の負担を軽くし、生産コストを下げることを狙いとしています。
 除草剤耐性を目的とした遺伝子組み換え品種の代表といえるのが、アメリカ・モンサント社が開発した除草剤「ラウンドアップ」とそれに耐性がある大豆の組み合わせです。「ラウンドアップ」は必須アミノ酸の一種を合成する酵素の働きを阻害するため、全ての植物がこの必須アミノ酸を作れなくなって枯れてしまいます。しかし、「耐性大豆」には、細菌から取り出した、その必須アミノ酸を作ることができる別の酵素の遺伝子が組み込まれているため、「ラウンドアップ」がかかっても必須アミノ酸が作られ、枯れずに収穫することができます。大豆の大規模栽培では数種の農薬をまくのが普通だったのが、この「耐性大豆」を育てるには「ラウンドアップ」1種ですむため、農薬の使用量を減らすことができます。
 害虫抵抗性で実用されているのは、土壌細菌の殺虫性タンパク質の遺伝子が導入されている綿やトウモロコシです。この細菌が生産する物質(Bt-トキシン)はチョウやガなどの幼虫の消化器にはいると毒物となって幼虫を殺します。作物中でこのBt-トキシンを作らせているので、その作物をかじった害虫は死んでしまいます。人間が食べたときに影響があるのではないかという心配については、幼虫の消化管内はアルカリ性であり、その環境で消化管の特定の部分と結びついて初めて毒性が出てくるのであり、人間などの哺乳動物の場合はチ化管内が酸性で結合する特定部位もないので、毒性が出ないまま排泄されてしまいます。
 このほか、国土が広いアメリカでは、野菜や果物の流通期間が長いので、保存性(日持ち)を上げる研究が進められています。その一つがトマトの遺伝子組み換えです。トマトは成熟すると果肉が酵素によって分解されて軟らかくなります。この酵素が働かないように遺伝子組み換えをし、日持ちを向上させたトマトが販売されています。
 さらに研究が進み、暑さや高濃度の塩分に耐性を持つ作物を作ることができれば、植物が育たず飢餓に苦しむアフリカやアジアの人々を救うことができるかもしれません。遺伝子組み換え食品は、食糧危機を救う可能性も秘めているということができます。

上へ戻る↑

4.厚生労働省が認可している遺伝子組み換え作物

 平成13年9月末現在、厚生労働省は39品種について安全性審査を経て認可しています。
 詳細については厚生労働省のページをご参照下さい。

上へ戻る↑

5.組み換え食品の問題点

 遺伝子組み換え食品の是非については、特に食品として直接摂取するものでもあり、いろいろな立場から賛否両論が交わされています。その問題とされている論点を整理すると以下の3点に集約されるようです。

(1)人の体に害をもたらさないか
 作物に導入されている異種の遺伝子やその生産物は安全なものといえるのでしょうか。新しい遺伝子が生まれたり、これまで働いていなかった遺伝子が働き初め、毒となったりアレルギーを引き起こすことはないのでしょうか。
 この問題について、厚生労働省では「実質的同等性」という概念を打ち出しています。導入する遺伝子の性質がはっきりしておりほかの性質が従来品種と変わらなければ、これまでの種類と同等と見なす、という意味です。しかし、一部の消費者団体は「微量の異物を長期に摂取したときの慢性毒性の評価がない」と批判しています。
 実際には、人体毒性が現れる可能性はかなり低いと考えられます。企業は、遺伝子導入後に作物として商品化するまで、長い年月を掛けて性質を詳しく調べているからです。しかし、確率ゼロとは言い切れないのが生物の世界です。特にアレルギー誘発の可能性に関しては「今後の詳細な検討が必要」とする研究者も多く、食品としての安全性は灰色ということになります。
(2)生態系に害はないのか
 除草剤耐性を持つ作物について心配されているのは、導入遺伝子が花粉によって雑草などへ運ばれ組み込まれてしまうことです。農水省は可能性が低いことを実験で確認したとしていますが、その実験方法に疑問を投げかける研究者もいます。また、除草剤をかけ続ければ耐性のある雑草が急激に増える危険も否定できません。
 また、害虫抵抗性の作物の場合にも、ターゲットとした害虫以外の虫への影響がゼロとは言えず、確率としては低いものの条件が揃えば害になり生態系を乱す可能性も否定できません。
(3)一部企業の食料支配の可能性
 化学メーカーの一部が、除草剤とその耐性作物の種をセットにして世界中に売り込んでいるものもあります。また、種を育てて実らせた2代目の種からは芽が出ないようにする遺伝子組み換え技術を検討していた企業もありました。こうしたことから、市民団体の中には企業の食料支配を心配する声も上がっています。

上へ戻る↑

戻る-->