シックハウス症候群について

 ここ数年、「シックハウス症候群」ということが言われるようになって来ました。
それに呼応して、住宅メーカーではいわゆる「健康住宅」を売り出すようになりました。
ここでは、シックハウス症候群について簡単に解説しています。

シックハウス症候群

 新築あるいは改築したばかりの家やマンションに入居したとき、あるいは新しく家具を購入してしばらくした頃に、
不眠・喉の痛み・目の痒みなどを訴える症状を称してシックハウス症候群といいます。
これは、住宅の壁や床あるいは家具に使用されている塗料・接着剤などから、
ホルムアルデヒドが放散することにより目や喉を刺激する原因となっていたり、
建材・塗料・防虫剤に含まれるトルエンやキシレン、可塑剤などの揮発性有機化合物(VOC)などが
原因になっていると考えられており、化学物質過敏症の一種とされています。

化学物質過敏症の症状

自律神経障害

発汗異常、手足の冷え、疲れやすい

精神障害

不眠、不安、うつ状態

末梢神経障害

喉の痛み、乾き

消化器障害

下痢、便秘

眼科的障害

結膜の刺激的症状

循環器障害

心悸亢進

免疫障害

皮膚炎、喘息、自己免疫疾患

同じ建物に住んでいても症状のでる人とでない人がいるのは何故?

 化学物質に対する耐性(曝露許容量)は人によって違うとされています。化学物質過敏症の発症は、
よく風呂桶と水道にたとえられます。つまり、人の化学物質に対する耐性を風呂桶として
そこに水道の水にたとえた化学物質を貯めていったときに、風呂桶からあふれ出すタイミングで
化学物質過敏症の症状が出るというものです。
 この風呂桶の大きさが人によって違うことから、同じ量の化学物質の曝露を受けても
症状がでる人とでない人がいるということになると考えられています。
これはいわゆるアレルギー一般に通じており、花粉症の発症もメカニズムとしては同じものと考えられています。

最近になって増えてきたのは何故?

 シックハウス症候群が現れるようになったのは1970年代の省エネ政策以降とされています。
 省エネの要求とアルミサッシの出現による高気密・高断熱住宅が増えてきたことと、
冷暖房が完備するようになって家の中にダニやカビ・雑菌類が生息しやすくなったため、
建材の製造過程で農薬と同じ成分の薬剤を使用して防腐・殺菌処理を施すようになりました。
低コストであり、大量生産・大量消費という時代の流れにもかない、化学物質で処理した建材が主流となったため、
これらの材料から揮発する有機化学物質がシックハウス症候群というあたらしい病気を生んだと考えられています。

ホルムアルデヒドとは

 今日、木質建材として用いられている合板、MDF・OSB、パーティクルボード、
繊維柄および集成材の製造には必ず接着剤が用いられており、ここで用いられる接着剤のほとんどに
ホルムアルデヒドが含まれています。
 建材製造に用いるユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等は縮合反応型樹脂として
ホルマリンを加えて加熱硬化させることで、強度、耐水性、耐熱性、耐久性がよくなり、
木質材料の構造強度を高めています。
 また、ホルマリンは殺菌性がよいことから、各種木質建材の防虫剤としての効果も大きいということができます。
このような防腐剤としての効果を生かして壁紙用接着剤や天然樹脂系塗料などに使用されています。
 ホルマリンは安価で長時間その効果が持続することから、安定した防腐剤であり、
一時期には衣料品にも使用されていたこともありました。

ホルムアルデヒドの性質

分子量

30.03(化学式:HCHO)

沸点

-19.5℃

対空気比重

1.075

比重

0.8153(-20℃で液化ガス)

爆発限界

7.0~73%

発火点

300℃

引火点

-118℃

融点

19.5℃

性状

常温では無色の可燃性気体

シックハウス症候群にかからないために

室内空気の入れ換え

気密性が高い現在の住宅では、部屋の空気が自然と入れ替わることがないので、換気が大切になります。締め切っているときは、トイレ・キッチン・浴室などの換気扇を時々回す。就寝時は家のどこかの窓を開けておく。また、風の通りが良くなるように窓を開けるなどして部屋中の空気が入れ替わるように気をつけましょう。掃除の後もしばらくは換気が必要です。また、収納部分の空気も循環するよう、押入にはすのこを敷き、結露にも注意しましょう。

湿度を管理し、
原因物質を遠ざける

高温多湿だとダニ・かびが発生し、ホルムアルデヒドはより多く放散します。天気がよい日は窓を開放して掃除をし、部屋を乾燥させる、また、多湿の時はエアコンをドライにして運転し湿度を抑えると効果があります。

換気扇を回しながら加湿器をフル稼働させる

空気中に揮発した化学物質を取り除くには、換気扇を回しながら加湿器を使うのが効果的です。揮発した化学物質は水滴と結合し、換気扇を回すことで水蒸気と一緒に室外へ追い出すことができます。

原因となるものは身の回りにおかない

合板は、シェラックワニスなど安全なニスで覆うことで有害物質の揮発を抑える効果があります。家具はむく材か塩ビを使っていないスチール製、システムキッチンはステンレス製のものであれば原因物質は揮発しません。トイレの芳香剤はポプリなどで代用しましょう。防虫・防かびスプレーは使用しないようにしましょう。

衣類は体にいいものを身につける

衣類の洗濯の際には、合成洗剤・柔軟剤・漂白剤などの使用は避けましょう。ドライクリーニングは控えて水洗いを。衣類用防虫剤の使用も控え、使用した場合は着用する前に一度洗うか、干して薬品をとばしてからにしましょう。